VPNのすすめ

ゴールデンウィークのまっただ中、となり町のカーディーラーでオイル交換の待機時間にこの記事を書いています。
すでに、スマートフォンでのテザリングや、モバイルルータの普及により、どこでも高速インターネット環境を手に入れることができます。また、公衆WiFiなどの整備が進み、パケットを気にせずに高速モバイル通信が可能になっています。駅の構内、電車の中、高速バス移動中や、飲食店やホテルの客室内など多くの場所で「無料WiFi」という看板を目にするようになりました。

便利な反面、注意しなければならないことがあります。セキュリティ対策がきちんとなされているWiFiであれば問題は少ないのですが、無料WiFiは公衆無線LANとも言われるように、その通信は傍受される可能性がないわけではありません。いわば、通信を移動手段に見立てると、無料WiFiというバスに乗り、乗客みんなで相乗りしているようなイメージです。ですので、車内にて声を出して機密情報などを読んでしまえば、すぐに周りの人たちに伝わってしまう危険があるのです。
もちろん、必ず情報が漏洩するということではありませんが、重要な情報を流してしまうことには不安が残ります。特に、外回りで活躍するビジネスマンは時に機密情報を緊急で必要になった場合は、非常に危険な状態にあると言えます。

モバイル通信には色々な手段があります。先ほどの無料WiFiが乗り合いのバスでしたが、他にも自家用車を利用するイメージのVPN通信があります。これは、多くの人と乗り合いで情報が漏洩することを防ぐために、自分だけが乗ることができる自家用車で通信を行おうという物です。VPN、バーチャルプライベートネットワークという名称が示すとおり、一人だけの空間であれば、情報の内容を声に出して読んでも、乗り合いのバスよりは安全です。

そこで、できることなら安全な通信を行うためにも、乗り合いのバス通信ではない、マイカー通信を行いましょうということになります。
パソコンのOSやスマホなどのモバイル端末では、標準でVPNクライアント機能が搭載されています。安全に接続できるVPNサーバを用意することさえできれば、外部での通信を安全にやりとりすることができます。

これからは働き方改革で、社外から様々な情報を取り扱うこととすると、漏洩させずに傍受されることなく安心して働ける回線環境を作ることは、もっとも大切な取り組みだと言えます。

iOSなどでは、VPNアプリもいくつか提供されており、自社にサーバを設置せずとも運用できる物もありますが、やはり情報の機密を厳重に守るために通信自体を暗号化するものですから、ここは是非他の介在を許さない、自社内でのVPNサーバの設置をお勧めします。

「屋外ではたいした情報のやりとりをしていないから大丈夫」と、思われがちですが、プロバイダーへのアクセスはもちろん、メールの送受信など、本人にとっては重要ではないと思う内容でも、攻撃者にとっては様々な形で犯罪の糸口にできる物ばかりです。こうした油断による情報漏洩で、被害者ではなく、加害者になってしまうことがあります。インターネットに接続をするという意味をもう一度考えて、必要な対抗手段をとっておく必要があります。

一度、重い腰を上げてしまえば、安心して多くの便利な通信環境をお使いいただけます。
まずは、現在の使用状況を見直してみてはいかがでしょうか。

6年前